新型コロナウイルス感染症に関して、治療で通院される患者様におかれましては、いろいろと不安をかかえておられることと思います。
この度、日本生殖医学会より発表されました声明では『本ウイルスの母体から胎児への感染の可能性が不明であること』、『免疫力が低下している妊婦において重症化の可能性があること』、『感染時に使用される治療薬として妊婦には禁忌の薬剤による治療が試行されていること』などから、『医師は不妊治療を延期するかどうかを患者様と相談すること』、および『採卵を予定している場合はできるだけ胚凍結をお勧めすること』などが推奨されています。
①(http://www.jsrm.or.jp/announce/187.pdf)
しかし、2020年4月1日付けとして、厚生労働省から、新型コロナウイルスが妊娠に与える影響について、以下の内容がリーフレットに記載されています。『一般的に、妊婦の方が肺炎にかかった場合には重症化する可能性があります』としつつも、『現時点では、妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない方と変わらないとされています』、『胎児のウイルス感染症例が海外で報告されていますが、胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告はありません』、『したがって、妊娠中でも過度な心配は要りません』とあります。
②(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10653.html :厚生労働省HP「妊婦の方々などに向けた新型コロナウイルス感染症対策」をとりまとめました)
これらにより、当院では、本日現在では以下のような方針で診療をいたします。患者様におかれましては、よろしくご理解いただきますようにお願い申し上げます。
1.現状は今まで通りの診療を行います。
不妊治療の継続または一時延期などの判断は医師が相談にのりますが、最終的には上記の情報のもとに、患者様ご自身の判断でお願いすることになります。
2.当院では今後も現在の感染予防対策を徹底し、感染予防に最大限の努力を続けてまいります。
- 職員はマスクを着用し、手洗いを頻回に行うとともに、ドアノブや診察室まわりのアルコール消毒を徹底します。
- 患者様にもマスクの着用をお願いいたします。マスクを着用されない方は、人工授精を含む一般診療、または採卵、胚移植、手術処置をお断りいたします。
- 患者様におかれましては、来院時に玄関で必ず手指のアルコール消毒を行い、入室後洗面室で洗浄もお願いいたします。
- 少しでも発熱・倦怠感・咳・味覚障害・嗅覚障害などの体調不良がある場合は、来院をお控えください(判断に迷う時はまず電話にて確認してください)。
- 受付時に体温を測定していただき、その結果を体調チェック用の「予診カード」に記入していただきますので、ご協力ください。
- 内診時、当院のバスタオルの使用は一時中止となります。患者様にはバスタオルをご持参いただきますよう、ご協力をお願いいたします。
- 院内は感染予防のため、玄関・窓等をはじめ、開放可能な場所はできる限り開放させて、通気に心がけます。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
- 院内感染予防のため、診察や処置時は原則として、奥様お一人でご来院していただきますようお願いいたします(国家的に緊急事態ですので、ご理解、ご了承のほど、お願いいたします)。
3.緊急事態宣言が発令された場合の診療予定
- 診察時間短縮のため、夕診は行いません。
- 新たな採卵周期の開始を中止するか、開始するかは、ご相談のうえ決定いたします(採卵となった時は、全胚凍結をお勧めいたします)。
- 新たな凍結胚を含む移植周期の開始を当面中止するかは、ご相談のうえ決定いたします。
- 新たな積極的な一般不妊治療(人工授精等)を中止するかは、ご相談のうえ決定いたします。
上記はあくまでも予定でありますことを、くれぐれもご了承ください。
変更がありましたら、すぐにホームページに掲示させていただきます。
当院では今後も感染予防と情報収集に努め、患者様が安心して治療できる体制を維持していきたいと考えておりますので、ご協力のほどお願い申し上げます。
2020年4月3日
西山産婦人科
理事長 西山幸男
院長 西山幸江