当院は平成27年よりタイムラプス培養器:CCM-iBIS を導入いたしました。
この培養器にはタイムラプスの機能があり、胚(受精卵)を培養器から出さなくても観察が可能なため、従来の培養器よりも培養環境の変化が少なく、妊娠率向上が期待されるシステムです。
タイムラプス培養器:CCM-iBIS

タイムラプス培養器:CCM-iBIS
- 培養器の中にカメラ付顕微鏡が内蔵されているので、培養中の受精卵を培養器から出さなくても観察ができます。
→ 培養環境が一定に保たれるので、受精卵へのストレスが軽減されます。 - タイムラプス(経時的観察機能)があり、一定の時間間隔で自動的に受精卵の撮影が可能です。スタッフ不在の時間帯でも受精卵の発育を観察できます。
→ 採卵翌日の朝に前核が見えなかった場合、残されている画像データから確認ができ、受精の有無がより確実となります。
タイムラプス培養器による受精卵の観察
数時間おきに観察された受精卵発育の様子をご紹介します。
なお、ご紹介した受精卵は、採卵から2日目(ICSIから45時間後)に胚移植を行い、無事妊娠出産に至りました。

採卵当日
① 顕微授精(以下ICSI)直後の卵子です。

採卵当日
② ICSIから9時間後の卵子の様子です。
前核が2つ出現しています。

採卵翌日・朝
③ ICSIから14時間後の卵子の様子です。
②では離れていた前核が近づいています。

採卵翌日
④ ICSIから21時間後の卵子の様子です。
③で見えていた前核が消失しているのが観察できます。

採卵翌日・夕方
⑤ ICSIから27時間後の分割胚の様子です。
細胞が2つに分割していることがわかります。

採卵翌日
⑥ ICSIから33時間後の分割胚の様子です。
細胞が4つに分割していることがわかります。