卵子の紡錘体(ぼうすいたい)を傷つけない顕微授精の方法です。
紡錘体の役割を簡潔にいうと、「細胞が分裂する時、新しくできる細胞に染色体を移動する装置」といえます。もし、紡錘体に傷がつくと、受精卵の染色体に不都合なことが起こりかねません。
オーサイトシステムは、ICSIを行う時に紡錘体の位置を確認しながら操作するシステムのことです。
卵子の紡錘体(ぼうすいたい)を傷つけない顕微授精の方法です。
紡錘体の役割を簡潔にいうと、「細胞が分裂する時、新しくできる細胞に染色体を移動する装置」といえます。もし、紡錘体に傷がつくと、受精卵の染色体に不都合なことが起こりかねません。
オーサイトシステムは、ICSIを行う時に紡錘体の位置を確認しながら操作するシステムのことです。
これまで紡錘体は一定の位置(第一極体のそば)にあると考えられ、ICSIの際には、第一極体とそのそばを傷つけないように行われてきました。ところが卵子の約30%で紡錘体は別の位置にあることがわかってきました。
オーサイトシステムでは、特殊なレンズをこれまでの顕微鏡に装着します。これにより、直径わずか0.025㎜と非常に小さい紡錘体の位置を確認、観察することができます。さらに、紡錘体の密度、長さの測定、透明帯の精査情報を数値で評価することができます。
オーサイトシステムでは、今まで以上に紡錘体を保護しながらICSIを行うことができるわけです。
生殖細胞である卵子は、受精卵に遺伝子情報を伝えるために、減数分裂を行うのが大きな特徴です。卵子は排卵の過程で、第一分裂で第二次卵母細胞と第一極体になり、さらに、第二分裂で第二次卵母細胞は卵実質と第二極体になります。
排卵時の卵子は第二分裂の途中ですが、顕微授精の場合、自然排卵の少し手前で採卵するので、受精時の卵子には第一極体があります。
オーサイトシステムでは、従来の顕微鏡よりさらに鮮明に第一極体を観察でき、保護することができます。
当院では平成19年より本システムを導入した結果、少数の卵子しか得られないケースでも無事妊娠にいたった患者様が増えています。