顕微授精は、体外受精とともに高度生殖医療に含まれる治療法です。顕微授精と体外受精の違いは受精を助ける方法にあり、それ以外のプロセスは全く同じです。
顕微授精、体外受精ともに基本的には、採卵・採精・媒精・培養・胚移植という5つの段階を踏みます。
このうち、顕微授精では体外受精の媒精(培養器の中で卵子に精子をふりかける)の代わりに、ICSI(イクシ)を行います。ICSIは顕微鏡下で人工的に1個の精子を卵子の細胞質の中に注入し、受精を待つ方法です。
顕微授精は、体外受精とともに高度生殖医療に含まれる治療法です。顕微授精と体外受精の違いは受精を助ける方法にあり、それ以外のプロセスは全く同じです。
顕微授精、体外受精ともに基本的には、採卵・採精・媒精・培養・胚移植という5つの段階を踏みます。
このうち、顕微授精では体外受精の媒精(培養器の中で卵子に精子をふりかける)の代わりに、ICSI(イクシ)を行います。ICSIは顕微鏡下で人工的に1個の精子を卵子の細胞質の中に注入し、受精を待つ方法です。
顕微授精は、当初、男性不妊を救う治療法として登場しました。高度な男性不妊の場合、体外受精を試みても、精子が自力で卵子の中に進入するのは難しく、体外受精を繰り返しても妊娠できないことが多かったからです。
しかし、その後、顕微授精の対象は、女性側に原因のある抗精子抗体陽性のケースや、ご夫婦双方にはっきりした不妊原因が見つからない原因不明不妊へと広がっています。その背景には、ICSIが主流になり、顕微授精の受精率が高くなっていることがあります。
当院においては、平成19年より「オーサイトシステム」を導入し、卵子の細胞を傷つけない安全な顕微授精への転換を行いました。紡錘体の位置を確認した安全なICSIを行った結果、少数の精子しか得られない場合でも、無事、妊娠にいたる方が増えています。
ICSIの対象
どのように卵子に精子を注入するのかを、順を追ってみてみましょう。
射精した精液の中に精子が1匹もいない場合、医学的には無精子症とされます。しかし、精巣(精子が作られるところ)の中には精子が存在することがあります。また、完成精子ではありませんが、その一歩手前の後期精子細胞が精巣内にある場合もあります。
閉塞性無精子症といって、精巣で作られた精子を運ぶ通路が閉鎖している場合や、精子を作る力が非常に弱い場合です。
このようなケースでは、精巣から完成精子、または後期精子細胞を採取して、顕微授精することができます。当院の場合は、提携する泌尿器科で精巣内精子を採取した上で、当院にてICSIを行います。
精巣内精子回収法をTESE(テセ)といい、この方法をTESE-ICSIといいます。